四代目の松本幸四郎を描いた作品です。ここでの幸四郎は、信夫・宮城野の姉妹に、その敵である志賀大七を知らせるという、地味ですが重みのある肴屋五郎兵衛を演じています。
絵師の東洲斎写楽は、寛政6年(1794)5月から翌7年1月のわずか9ヶ月の間に、150点近い作品を残しました。その経歴は不明な部分が多く、画風も浮世絵の諸派と比べ、かなり独特です。作品の版元は、当時罰せられ、財産を没収されたばかりの蔦屋重三郎に限られています。多くの謎がありますが、現在でも世界的に著名で、人気のある浮世絵師です。
この作品は写楽独特のデフォルメが控えめですが、そのためにかえって、役柄の渋味を引き立たせています。
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